ザ・尼崎!ツアー 前編

ザ・尼崎!ツアー 前編

2020年10月、兵庫県尼崎市をたっぷり味わうまち歩きをしました。

この記事は 前編 / 後編 があります。

今回のまち歩きマップ

案内人は尼崎市役所職員の吉松さん

今回はまちあるきは案内人の尼崎市役所職員の吉松さんの他に、もう1人ゲストとして尼崎在住の建築士、藤本さんも同行してもらいました。藤本さんは伊丹や塩屋で井戸を掘ったりもしている面白い人。藤本さんが住んでいる「すごい家」も案内してくれるとのこと。ワクワク。

尼崎を案内してくれる藤本さん(左)と吉松さん(右)

吉松さんは普段からプライベートで尼崎のまちのイベントに顔を出していて、藤本さんとも、このまちあるきの1週間前にイベントで知り合いになった。吉松さん曰く、このようなイベントなどで知り合った人たちの繋がりで、徐々に尼崎での輪が広がっているそう。そんな吉松さんにこれまで知らなかった新しい尼崎の魅力満載の「ザ・尼崎」なスポットをたくさん案内してもらった。

地図を配ってくれる藤本さん

阪神出屋敷駅に集合し、まち歩きスタート。と、その前にまずは藤本さんから地図が1人1枚ずつ配られる。よく見ると同じ場所の別の時代の地図のよう。私に配られた地図は大正時代の出屋敷駅付近の地図。それぞれの時代で、大きく様子が違っていて、まちの発展していく様子が見えてとても面白い。スタートからワクワク。楽しみ!!

まず向かったのは尼崎貴布禰神社。今日は「尼いもの奉納祭」の日。

尼いもとは江戸時代から尼崎南部の新田地帯で作られていた伝統的なさつまいも。工業化や台風被害で1950年ごろに尼崎から姿を消したが、尼崎の公害患者の方々の願いで2003年ごろ復活したさつまいもだそう。毎年、この時期に貴布禰神社で尼いもの奉納祭が開かれている。

地元の人たちで大賑わい

神社の中では地域の人たちが作った、あま芋スープや芋のつるの佃煮の屋台があったり、焼き尼芋を振舞ってくれたりと、とても賑やか。私たちも焼きたてであつあつの焼き尼いもをいただいた。甘さ控えめであっさりしていて美味しい。地元に根ざした、温かいお祭りだった。

地域の方が焼いてくれた焼き尼いもをいただく。
輪投げのピンが尼いも!可愛い!!

境内に怪獣がいる??ガサキングに遭遇!!!

この怪獣はガサキングという名前である。

ガサキングとは「混沌とした三和一番のシャッターを破壊するために生まれた地域おこしの怪獣である。」(wikipediaより)。ガサキングは尼崎の怪獣として、奉納祭にしっかりと参加していた。その様子はなかなかシュール。尼いもと生ガサキングを堪能して早くも尼崎の新しい魅力を発見。

 ちょっとリッチな70円の缶コーヒーを買う藤本さん

尼いもで少しお腹を満たし、次に向かう途中に出会ったのはこの自販機。「50円〜」という手作り感満載でインパクト大の看板に釣られて近づいてみる。よく見てみると、値段だけで商品が入っていないところや手書きの「安いよ〜」という文字。なかなかツッコミどころ満載の自販機で面白い。何が出てくるかわからない自販機。ぜひ体験して欲しい。

三和市場へ

3つの商店街の入り口が集まる。どこから入るか迷う。

三和市場、三和本通り商店街とサンロードと複数のアーケードの入口が集まっている場所に到着。ここは三和本通り商店街、三和市場、新三和商店街(サンロード)と複数の商店街、市場が集まっている場所。なんともワクワクする入り口。これは中に入らずにはいられない。

まずはサンロードの中を進む。豚肉と沖縄物産のお店、栄屋さんで豚のモツ煮をつまみ食い。めっちゃ美味しい。ビールが欲しくなるお味。

途中の衣料品店の手描きのポップがとても個性的。味があってなんだか懐かしい気分になる。昔ながらのお店や、新しいお店などが混在していて、商店街を通るだけで賑やかで楽しい。

手作り看板。センスがありすぎる。

手作り感溢れる注意書き。

次に向かったのは三和市場

三和市場の入り口。インパクト大

アーケードの北側入り口で、尼いも奉納祭で先ほど出会ったガサキングの名前入り暖簾(のぼり?)がお出迎えしてくれている。「シャッター街をぶち壊せ」というキャッチコピー、パンチが効いてる。

中に入るとさっき通ってきた商店街とは違い、シャッターが目立つ。

入り口付近はまだ明るいが、奥に進むほど暗くなっていく。

市場を進むと、「tora」というライブハウスが。ライブハウスの方にお話を伺うと、5年くらい前にフルリノベーションを行い、200万くらいかけて防音。(普通は4000万くらいかかるらしい・・・)町おこしが好きなおじちゃんに誘われてライブハウスを作ったそうで、現在はライブや様々なイベントを企画して行っている。藤本さんは「とらのあな」で行われたイベントに偶然参加したそうで、その時に「この場所いいなあ!!」と思って隣に住むことにしたらしい。その感覚と行動力すごいなあ!

ライブハウスの隣の藤本さんの家を見せてもらう

藤本さんのお家は元々は鮮魚店だったそう。そのため、家の中の変わったところに水道があったりする。市場の建物は1階がお店で2階が居住スペースとして建てられたが、現在営業中のお店も含めて、この市場に住んでいるのは藤本さんだけとのこと。

ここから先が住居部分。

これまで思っていた「家」という固定概念が覆る家。本当にここに住んでいるの!?と驚きながら部屋の中を案内していただいた。とてつもなく急な階段を上がって屋上も見せてもらった。「まだ何もないただの屋上だけど、この場所でも何かできたらいいな」と藤本さんが語ってくれた。楽しそうに案内してくれる藤本さんの話を聞きながら私もここでどんなことが起こるのかとてもワクワクした。藤本さんもや三和市場で頑張るみなさんがとても魅力的。

急勾配の階段で屋上へ。
まだ何もないけど、ここでも面白いことがたくさん起こりそう

サービス精神満点な天ぷら屋さん

三和市場を抜けて三和商店街に入ると天ぷらの良い匂いが。70年ほど場所を変えながらも続けている、日新天ぷらさんで天ぷらをいただく。おしゃべりしながら天ぷらをいただいているとお店の方から揚げたての天ぷらのサービスが!!!!!ありがとうございます!日新天ぷらさんの温かい心遣いに一同感動。ここでも尼崎の魅力を発見。

吉松さんと天ぷら屋さんは顔なじみ。
揚げたての天ぷら!とても美味しいのでぜひ!

商店街はとても広く、ここだけでも1日楽しめそう。

東西に延びる尼崎中央商店街は阪神出屋敷駅から隣の尼崎駅まで続きます。

午前中だけで、中身の濃いまち歩きですでにお腹いっぱいになってきた。

お昼ご飯はちゃんぽん

商店街を抜けて、ちょうどお昼の時間に。お昼ご飯は尼崎のローカルフード「あんかけちゃんぽん」を。「あんかけちゃんぽん」はその名の通り、あんかけがかかったちゃんぽん。尼崎は工場が多いまちなので、工場で働く人たちのお腹を満たすために、あんかけをかけたのが始まりという説がある。それがどんどん広まり、「尼崎ちゃんぽん」に。お店によって味が異なるらしい。ちゃんぽんの食べ比べも楽しそう。

私たちがお昼に入ったお店は中華料理店「大貫」。大正元年創業のお店で地元の人たちで大盛況。ここのちゃんぽんはボリューム満点。お腹いっぱいになりましたが、とっても美味しかった!今度は他の料理も食べてみたい。

ちゃんぽんを食べた中華料理店「大貫」さん
あんかけちゃんぽん。熱々で美味しい。

お腹もまちあるきもボリューム満点ですが、まだまだまちあるきは続きます!

〉後編に続く
オススメのお店情報
栄屋商店
兵庫県尼崎市玄番北之町5−5
営業時間:9時~18時
休業日:定休日なし
ライブスペースtora
兵庫県尼崎市神田南通2丁目42
イベント情報などはHPで確認
http://live-tora.com/
大貫 本店
兵庫県尼崎市神田中通3丁目29
営業時間:11時30分〜20時
休業日:水曜日

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