2020年10月、兵庫県尼崎市をたっぷり味わうまち歩きをしました。
この記事は 前編 / 後編 があります。
今回のまち歩きマップ
世界の貯金箱博物館
お昼ご飯を食べて向かったのは寺町。先ほどの三和市場や三和商店街の雰囲気とは大きく変わり、静かで落ち着いたエリア。11のお寺が小さなエリアに集まり江戸時代の城下町の雰囲気が漂う。
その中にあるのが尼崎信用金庫(通称:尼信・あましん)の世界の貯金箱博物館。実は尼信は吉松さんの前職。地元の信金で働くことも充実していたけれど、公務員になることで、自分の住んでいるまちのイメージを変えることが、よりできると思い公務員に転職。そんな吉松さんの解説を聞きながら、貯金箱博物館の中を見学。貯金箱博物館には世界中の大小様々な貯金箱が所狭しと並べられていて、初めてみる景色。個性的な貯金箱がたくさんあって、ひとつひとつ見ているとそれぞれ違いがあって面白い。
同じ時間には子供達の団体さんが来ていて、解説を聞きながら熱心に見学していた。
新築のお城!
続いて向かったのが尼崎城。明治維新の頃に取り壊されたお城だが、地元の企業や市民の寄付によって再建。お城の中は見学できるようになっていて、尼崎の歴史も学べる。できたばかりの新築のお城!まちおこしでお城を新築で作っちゃうのすごい・・・!
お城の周りは芝生広場になっていて、子供達でとても賑わっていた。
尼崎の南から真ん中へ、公設地方卸売市場を見学
阪神尼崎駅に戻り、バスでJR尼崎駅へ。
JR尼崎駅は再開発により、商業施設やマンションの整備が進み、最近は関西の「住みたい街ランキング」でも上位に。高層マンションが立ち並ぶ風景は先ほどとは全く違った景色で、尼崎の多様さにびっくり。そこから向かったのは尼崎市公設地方卸売市場。
この市場は50年以上前からこの場所で開場している。各地から農作物や水産物がここに集まり、小売店や飲食店の方が仕入れに訪れる。吉松さんは尼崎市の職員になって初めての職場が、この市場での業務だったそう。市場に入るときも吉松さんの顔パスで無事入場することができた。市場にはたくさんの生鮮食品が集まってくるため、中はとても広い。吉松さんの解説を聞きながら、近郊で作られた野菜を保存する巨大な冷蔵庫や、競りを行うための場所、部屋全体を冷蔵庫にするための巨大なクーラー、事業者ごとの事務所などを見学。なかなか見れない場所にみんな興味津々。
楽しすぎて、まだ見たいところはたくさんありますが、公設市場を後にして、再びJR尼崎駅に戻り、そこからバスで尼崎の北側にある阪急園田駅へ。
園田のコミュニティスペース
最後は阪急園田駅から徒歩すぐにある「hinata」というコミュニティスペースへ。そこで私たちを待っていてくれたのが、hinataを運営している、NPO法人サニーサイドの代表のCちゃんと職員のあかねまる。2人からhinataのことを伺った。
吉松さんとCちゃんとは市役所のファシリテーション研修がきっかけで知り合った。2人とも園田に住んでいるご近所さんということで意気投合し、飲みに行ったりイベントに誘ってもらったりしているうちに仲良くなったらしい。吉松さん曰く「知らん間に仲良くなった」というのがなんだかいいなあ。hinataのみなさんをファンローカルのメンバーに紹介できて嬉しいと話す吉松さんがとても良い笑顔だったのが印象的。
Cちゃんのお家はシェアハウスで、この時、吉松さんはCちゃんのお家に期間限定でホームステイ中だった。
ここでファンローカルのメンバーから、Cちゃんあかねまるへの質問タイム
━━━ここはどんな場所?
「NPO法人サニーサイドは主に障がいのある方への就労支援事業を行っていて、新しい事業としてこの場所でコミュニティスペースhinata、児童ホームつくしの運営を始めました。園田のまちとの関係をつなぐ。障がいのある方も通って交流が生まれて、園田に住む○○さんになればいいなあと思っています。」
「この場所は月1回のミーティングをしながらみんなで作っています。イベントはまちの人発信で、これまで「あかねまるの知らない世界」や「コーヒーの会」「葬儀を考える会」などのイベントを行っています。お風呂のイベントは子育て中のお母さんとか地元の人がよく来てくれます。」
━━━障がい者への課題を感じたきっかけは?
「みなさんは障がいのある友達って身近にどれくらい、いますか? みんな、障がいのある方と一緒にいる時間が生活の中にない、接点が少ない。障がいのある方が不審者に間違えられたという事件があったり、理解が得られないこともある。そうじゃなくて、知らん間に障がいの人がいるというのが良いと思っています。人として出逢って後で障がいのことがわかるみたいなのが良いなあと。」
━━━どうやって今のhinataになった?
「尼崎は不思議なまちで、まちにスペースができるとみんなが集まってきます。最初は友達やFacebookでここを知った人たちが来てくれました。自己紹介から始めて、付箋を配って「ここをどんな場所にしたいですか」という問いから、具体的に何をしたいかを考えていったんです。イベントをするうちに来てくれる人が増えていった感じ。」
障がいがある人もない人も誰でも、園田に暮らす色んな人たちが、ここをどんな場所にしたいか考えたり、イベントを企画したり、一緒に学んだり、一緒に楽しんだり、そこから新しいつながりが生まれたりと、とても温かでやさしい空間だった。自分の住む街にもこんな場所を作りたいなあと、とても思う。
一緒に話をしてくれたあかねまるは「このまちに住みたい!」と尼崎の魅力に惹かれて就職が決まってないうちから尼崎に住み始め、縁があってサニーサイドに働くことに。吉松さんやCちゃん、あかねまる、他にも園田には面白い人がたくさんいるそう。園田はいろんな人たちが集まって面白いことがこれからも起こりそうで、とてもわくわくするまちだった。
吉松さんと尼崎のまちを巡って、吉松さんのこれまでや、現在の尼崎のまちの人との関わりも知ることができた。これまで私たちがイメージしていた尼崎のまちだけではなく、尼崎の新しい一面や魅力をたくさん発見することができて、尼崎のまちが大好きになった。
この記事を読んだあなたも、ぜひ尼崎の街を訪れてほしい。
オススメのお店情報
世界の貯金箱博物館 兵庫県尼崎市西本町北通3丁目93 営業時間:10時~16時 休業日:月曜日
尼崎市公設地方卸売市場 兵庫県尼崎市潮江4丁目4−1 毎月第1土曜日「市場解放フェア」(現在はコロナ対策のため休止中)
コミュニティスペース hinata 兵庫県尼崎市東園田町5丁目59-1-106 イベント情報などはフェイスブックで確認 https://www.facebook.com/spacehinata/